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Abderrahmane, A.*; 高橋 大樹*; 田代 起也*; Ko, P. J.*; 岡田 浩*; 佐藤 真一郎; 大島 武; Sandhu, A.*
AIP Conference Proceedings 1585, p.123 - 127, 2014/02
被引用回数:1 パーセンタイル:51.08(Physics, Applied)380keV陽子線を1, 1, 1cm照射したAlGaN/GaNマイクロホールセンサーの673Kでの熱処理の影響を調べた。カソードルミネッセンス測定を室温で行い、熱処理前後での変化を調べたところ、GaN層からのバンド間発光の回復が起こっていることが分かった。また、磁気特性や増加した直列抵抗の回復が観察されたが、高照射量である1cmの試料においては熱処理後もなお高抵抗であり、初期値の72%までの回復であることが判明した。
Lee, H. S.*; 山口 真史*; Ekins-Daukes, N. J.*; Khan, A.*; 高本 達也*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.564 - 567, 2006/04
被引用回数:2 パーセンタイル:12.58(Physics, Condensed Matter)次世代の高効率多接合太陽電池のトップセルとして期待されるnp接合型AlInGaP太陽電池へ30keV陽子線照射を行い、生成する欠陥をDLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)法により調べた。その結果、二種類の多数キャリアトラップ(HP1, HP2)及び二種類の少数キャリアトラップ(EP1, EP2)を見いだした。温度依存性よりエネルギー準位を見積もったところ、HP1はE+0.90eV、EP1はE-0.54eVであると決定できた。3MeV陽子線照射の報告と比較することで、EP1はリン空孔が関与した複合欠陥に由来すると帰結できた。さらに、照射試料に対し室温にて100mA/cmの電流注入を行ったところ、HP1トラップが減少し、それに応じて正孔濃度が増加することが明らかになり、電流注入による太陽電池特性の回復現象にHP1が関与すると結論できた。
大島 武; 住田 泰史*; 今泉 充*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 桑島 三郎*; 大井 暁彦*; 伊藤 久義
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.806 - 809, 2005/00
多接合型(InGaP/GaAs/Ge)太陽電池について、低温(175K)での10MeV陽子線照射及び電気特性測定を行った。310/cm照射により短絡電流,開放電圧,最大電力をそれぞれ初期値の77%, 77%, 50%程度まで低下させ、その後、光照射や電流注入が劣化した特性に及ぼす影響を調べた。その結果、AM0模擬太陽光照射では劣化した特性は変化しないが、暗状態での順方向バイアス印加により0.5A/cm程度の電流注入を行うと短絡電流,開放電圧,最大電力ともに回復を示すことが判明した。
Lee, H. S.*; Ekins-Daukes, N. J.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.556 - 558, 2005/00
AlInGaP太陽電池及びダイオードへ30keV陽子線を照射し、太陽電池特性の変化及び発生欠陥を観察した。DLTS法を用い、欠陥を調べたところ正孔捕獲中心としてHP1(E+1.57eV)とHP2(E+1.19eV)を、電子捕獲中心としてEP1(E-0.54eV)とEP2(E-0.71eV)を新たに見いだした。太陽電池特性の変化を調べた結果、110/cm照射によりフィルファクターの劣化が大きくなることで最大電力が急激に減少することがわかった。また、この線量域では、基板の多数キャリアの減少により短絡電流が若干上昇した後、急落する現象も観察された。InGaP太陽電池とAlInGaP太陽電池の特性劣化を比較したところ、AlInGaPの方が耐放射線性に優れており、宇宙応用に適していることが示唆された。
Chandrasekaran, N.*; 曽我 哲夫*; 犬塚 洋介*; 田口 裕規*; 今泉 充*; 大島 武; 神保 孝志*
Japanese Journal of Applied Physics, 43(10A), p.L1302 - L1304, 2004/10
被引用回数:6 パーセンタイル:27.83(Physics, Applied)シリコン(Si)基板上のガリウム砒素(GaAs)太陽電池(GaAs/Si)の宇宙応用の可能性を調べるために、100keV陽子線を照射し、電気特性の変化を調べた。GaAs/Si太陽電池はMOCVD法を用い作製した。また、比較のためにGaAs基板上にGaAs太陽電池(GaAs/GaAs)も作製した。室温にて310から310/cmの100keV陽子線を照射した。その結果、短絡電流の変化にはGaAs/Si及びGaAs/GaAsでの差異は見られなかったが、開放電圧に関しては110/cmまではGaAs/SiはGaAs/GaAsに比べ優れた耐性を示すことが明らかとなった。また、110/cm以上ではGaAs/SiもGaAs/GaAsの開放電圧の劣化は同程度となることが判明した。
岩田 裕史*; 鏡原 聡*; 松浦 秀治*; 川北 史朗*; 大島 武; 神谷 富裕
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.143 - 146, 2004/10
宇宙用シリコン(Si)太陽電池の高線量域での特性の急落現象は多数キャリア濃度の減少によることが明らかとなっているが、この現象を詳細に解釈するために、製造方法(CZ法,FZ法),不純物の種類(ボロン(B),アルミ(Al)及びガリウム(Ga))及び濃度の異なるp型Si基板に10MeV陽子線を照射し、多数キャリア濃度の変化を調べた。キャリア濃度はホール計数測定により求めた。その結果、2.510/cmの陽子線照射により、CZ法で製造された全ての基板は、多数キャリアの種類が正孔から電子へと変化することを見いだした。一方、FZ法で製造した基板は同様な陽子線照射を行ってもキャリア濃度は減少するものの多数キャリアは正孔のままであった。FZ法はCZ法に比べ残留する酸素不純物の濃度が少ないことより、酸素関連の欠陥が多数キャリアの逆転に関与していると示唆される。
岡田 浩*; 夏目 聡*; 若原 昭浩*; 吉田 明*; 大島 武; 神谷 富裕
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.147 - 150, 2004/10
カルコパイライト系の薄膜太陽電池の放射線劣化機構解明のために真空蒸着法やRFスパッタ法で作製した多結晶や単結晶CuInSe薄膜の陽子線及び電子線照射効果を調べた。加速エネルギー380keVの陽子線,2MeVの電子線を室温にてCuInSe薄膜へ照射した。その結果、陽子線,電子線ともに照射量の増加とともに電気抵抗が上昇した。抵抗上昇の温度依存性を測定し、比較したところ、電子線照射の場合、110/cm以下の照射では結晶粒界を越えて電流が流れるための活性化エネルギーが33meV減少したのに比べ、210/cm照射では53meVとなった。同様の変化は陽子線照射においても観測され、510/cmの照射により9.7meV低下することが見いだされた。
Lee, H.-S.*; 岡田 浩*; 若原 昭浩*; 吉田 明*; 大島 武; 伊藤 久義; 川北 史朗*; 今泉 充*; 松田 純夫*
Physica Status Solidi (A), 199(3), p.471 - 474, 2003/10
被引用回数:3 パーセンタイル:21.33(Materials Science, Multidisciplinary)薄膜宇宙用太陽電池への応用が期待されているCuInSe半導体(CIS)の放射線照射効果を明らかにするために、0.38MeV, 1MeV, 3MeV陽子線照射によるキャリア濃度及び移動度の変化を調べた。用いた試料はガリウム砒素基板上にスパッタ法で作製したn型単結晶薄膜であり、未照射でのキャリア濃度は210から610/cm、移動度は105から135cm/Vsである。陽子線照射は室温にて110/cmまで行った。キャリア濃度と照射量の関係を解析することでキャリア減少率を求めたところ、3MeV陽子線照射では300cmで0.38Mev陽子線照射では1800cmと見積もられ、高エネルギー陽子線照射ほどキャリア減少率が低いことがわかった。この結果は、低エネルギー陽子線ほど表面付近での欠陥生成量が多く、今回のCIS薄膜試料に大きな損傷を与えるためと解釈できる。また、Hall移動度と照射量の関係を調べたところ、照射量の増加とともに移動度は減少し、110/cm照射では、初期値の1/3以下まで低下することが明らかになった。
住田 泰史*; 今泉 充*; 松田 純夫*; 大島 武; 大井 暁彦; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.448 - 451, 2003/05
被引用回数:54 パーセンタイル:94.59(Instruments & Instrumentation)宇宙用に開発された三接合型(InGaP/GaAs/Ge)太陽電池の陽子線照射効果を明らかにするため、20keVから10MeVのエネルギー範囲の陽子線を照射し、電気的・光学的特性の変化を調べた。モンテカルロシュミレーションより見積もった陽子線の侵入長を考慮して特性劣化を解析した結果、ミドルセルであるGaAsセルの接合付近が陽子線の侵入長にあたる場合に最も特性の劣化が大きいことを見出した。このことより耐放射線性のさらなる向上にはGaAsミドルセルの耐放射線性向上が重要であると結論できた。
大島 武; 今泉 充*; 高本 達也*; 住田 泰史*; 大井 暁彦; 川北 史朗*; 伊藤 久義; 松田 純夫*
Proceedings of 5th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications, p.113 - 116, 2002/10
地上用に開発された高効率InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の電子線,陽子線照射効果を調べた。用いた太陽電池はGaAsミドルセルにInを1%添加しており、AM1.5(地上での光スペクトル)で30%以上という世界最高の変換効率を有する。1MeV電子線、10MeV陽子線照射の結果、宇宙用GaAs単接合太陽電池とほぼ同様の耐放射線性を示すが、宇宙用に開発された米国製三接合太陽電池と比べると耐放射線性が低いことがわかった。電気特性及び量子効率と陽子線エネルギーの関係を調べたところ、GaAsミドルセルの劣化が大きく、結果として太陽電池全体が劣化していることが見出された。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Bourgoin, J. C.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Applied Physics Letters, 81(1), p.64 - 66, 2002/07
被引用回数:17 パーセンタイル:55.85(Physics, Applied)n/p-InGaP太陽電池に0.38MeVから3MeVの陽子線を照射することで発生する欠陥をDLTS法を用いて調べた。その結果、HP1 (E+0.900.05eV),HP2 (E+0.730.05eV),H2 (E+0.55eV)とラベル付けされた3つの多数キャリア(ホール)トラップとEP1 (E 0.54eV)とラベル付けされた少数キャリアトラップを発見した。また、これらのトラップは全てキャリアの再結合中心として働くこと、H2は少数キャリア注入によって消滅することを見出した。
川北 史朗*; 今泉 充*; 山口 真史*; 櫛屋 勝巳*; 大島 武; 伊藤 久義; 松田 純夫*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 41(7A), p.L797 - L799, 2002/07
次世代の宇宙用高効率薄膜太陽電池として期待されているCu(In,Ga)Se太陽電池の陽子線照射効果後の特性回復現象を調べた。陽子線照射容器に模擬太陽光源を取り付けることで、in-situで出力特性が測定できる装置を用いて実験を行った。照射後、暗状態で一定時間放置し、その後、太陽電池特性を測定したところ回復現象が観測された。さらに、太陽電池へ光をあてた状態で放置後に特性測定した場合には、回復現象が促進されることが見出された。測定温度依存性より、この回復現象に必要な活性化エネルギーを求めたところ、光照射の場合は0.80eVで、暗状態では0.92eVであると見積もられた。
Dharmarasu, N.*; Khan, A.*; 山口 真史*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Journal of Applied Physics, 91(5), p.3306 - 3311, 2002/03
被引用回数:25 パーセンタイル:66.97(Physics, Applied)InGaP単接合及びInGaP/GaAs二接合太陽電池へ3MeV陽子線照射を行い特性劣化を調べた。InGaP単接合の劣化は二接合に比べ少ないことが明らかになった。分光感度測定を行ったところ、長波長側の劣化が観測され、GaAsサブセルの劣化が二接合太陽電池の劣化へ寄与しているという結果を得た。少数キャリア拡散長の損傷係数を見積もったところ、InGaPでは7.910,GaAsでは1.610あった。また、これら損傷係数の値は、1MeV電子線照射の場合と比べ、それぞれ580,280倍大きいことが明らかになった。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Khan, K.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.1181 - 1184, 2001/12
被引用回数:7 パーセンタイル:41.38(Physics, Condensed Matter)100keV陽子線照射(1E10, 5E12/cm)したInGaP半導体n+/p接合のキャリア濃度及び生成される欠陥準位を調べた。キャパシタンス測定の結果、キャリア濃度減少率として、1MeV電子線の0.93/cmより桁違いに大きい6.1E4/cmが見積もられた。またDLTS測定より欠陥準位を調べたところ、H1ピーク(Ev+0.90V対応)が観測された。このH1ピークが多数キャリア捕獲中心として働くことで、100keV陽子線照射では1MeV電子線照射に比べキャリア濃度減少率が大きいことが分かった。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Khan, A.*; 山田 たかし*; 田辺 たつや*; 高岸 成典*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; et al.
Applied Physics Letters, 79(15), p.2399 - 2401, 2001/10
被引用回数:75 パーセンタイル:90.93(Physics, Applied)InGaP, InGaAsP, InGaAs太陽電池へ3MeV陽子線照射を行い、電気・光学特性の劣化を調べた。その結果、少数キャリアの拡散長の損傷係数として6.710 (InGaP),8.810 (InGaAsP),1.0110 (InGaAs)を得た。これまでに得られているInPの結果を含めて各種太陽電池の劣化をIn-Pボンド長に注目して解析したところ、In-Pボンド長の増加とともに耐放射線性が向上することが示唆された。さらに、InGaP,InGaAsP太陽電池では順方向への少数キャリア注入により照射試料の電気特性が回復することを見出した。
伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
J. Electron. Mater., 21(7), p.707 - 710, 1992/00
被引用回数:67 パーセンタイル:94.38(Engineering, Electrical & Electronic)化学気相成長(CVD)法により作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)結晶に2MeV陽子線を照射し、生成する欠陥の構造を電子スピン共鳴(ESR)法を用いて調べた。照射p型(Alドープ)3C-SiCのESR測定の結果、100k以下の低温で、n型試料では見られなかった新たなESRシグナル(T5と呼ぶ)を見い出した。T5センターは、g値の異方性(100主軸、g=2.0020,g=2.0007,g=1.9951)からD対称構造を持つ。さらに、T5シグナルが電子スピンと4個のSiサイトに存在するSi核スピンとの超微細相互作用で説明できることから、T5はCサイトの点欠陥、例えばC単一空孔に起因すると考えられる。T5シグナルがn型試料で観測されないのは、欠陥の荷電状態がn型、p型試料で各々0,+1であるためと推測される。また、照射試料の等時アニールにより、T5センターは150C程度の加熱により消失することが解った。
伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇*; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Radiation-Induced &/or Process-Related Electrically Active Defects in Semiconductor-Insulator System, p.73 - 78, 1991/00
化学気相成長(CVD)法により作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)結晶に2MeVの陽子線を照射し、生成する欠陥を電子スピン共鳴(ESR)法を用いて調べた。その結果、照射p形(Alドープ)3C-SiCにおいて、100K以下の低温で新たなESRシグナルを見い出した。このシグナル(以後T5と記述する)のgテンソル主値として、100方向を主軸とした3種類の値g=2.00200.0001,g=2.00070.0001,g=1.99510.0001が得られた。これはT5欠陥がD対称構造であることを示している。さらに、T5シグナルに対し観測された超微細構造から、T5はCサイトの点欠陥に起因すると考えられる。また、照射試料の等時アニールから、T5欠陥は150C程度の加熱により消失することが解った。
伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇*; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 37(6), p.1732 - 1738, 1990/12
被引用回数:92 パーセンタイル:98.81(Engineering, Electrical & Electronic)化学気相成長(CVD)法によりエピタキシャル成長させて作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)結晶において、陽子線・電子線照射により誘起される欠陥の構造を電子スピン共鳴(ESR)測定により調べた。2MeV陽子線照射、1MeV電子線照射3C-SiCのESR測定の結果、15本線(g値=2.00290.0001)から成るESRスペクトルが観測された。このスペクトルは、1個の常磁性電子(孤立電子)スピンと4個の等価なC原子位置におけるC核スピン及び12個の等価なSi原子位置におけるSi核スピンとの超微細相互作用で説明できることが解った。これより、この欠陥の構造としては、3C-SiC中のSi原子位置における点欠陥であると考えられる。
今泉 充*; 中村 徹哉*; 大島 武
no journal, ,
次世代の宇宙用太陽電池としてInGaP/GaAs/InGaAs構造を有する格子不整合型逆方向成長三接合太陽電池の開発を進めている。この太陽電池は、現在主流のInGaP/GaAs/Ge型格子整合系三接合太陽電池よりも高効率が期待され、更に、軽量でフレキシブルという特長を持つ。この太陽電池を設計するには、各構成サブセルであるInGaP, GaAs, InGaAs太陽電池の放射線劣化特性の把握が必要となる。InGaPおよびGaAsについては現三接合太陽電池と同一であるが、InGaAsについては新規材料であるため耐放射線性が明らかでない。そこで、InGaP, GaAs, InGaAsのp/n構造単一接合太陽電池を作製し、それぞれに10MeV陽子線および1MeV電子線を照射することで劣化を比較した。その結果、短絡電流の耐放射線性に関しては、InGaP, GaAs, InGaAsの順であることが判明した。また、10MeV陽子線と1MeV電子線照射に対する劣化を比較すると、InGaPは若干であるが電子線に対しての耐性が高く、GaAsは有意差がない、InGaAsは電子線による劣化の方が陽子線に比べ明らかに大きいことが見出された。一方、開放電圧の劣化においては、InGaAsは陽子線と電子線でほとんど劣化量に差がなかったのに対し、InGaP及びGaAsでは陽子線による劣化が電子線より大きい傾向が確認された。